菌は地球を救う♪
滋賀でパン屋をやってます。
菌をこのなく愛するパン工房まひろの郁子です
最近ハーブの投稿ばかりで
酵母パン屋だ!ということを忘れてしまいそうですが
きちんと酵母パンにも愛のまなざしを向けていますよ。
というか酵母へは愛しかない!!(笑)
夏から秋にかけて酵母のコンディションがおかしくなって
とんでもなく不味いパンを焼いてしまったりと苦戦していました。
2か月の我慢の末
(発酵の安定には2~3か月かかります!)
新しくおこした酵母が元気に育ってきていて
現在、絶好調!!!
ほんまに思うんですよ
酵母パンを焼くって
いかに元気な酵母を育てられるか?
が最優先課題であるんやなと。
当たり前のことなんだけれどね
最近のまひろ酵母はどんどん元気になってきていて…
市販のイースト化が進んでおります。
酵母がイースト!?と思う人もいるかもしれないので
ちょこっと説明しますね。
天然酵母とイーストの違いって?
結論から言います!
酵母=イースト です!!
学名:サッカロマイセス・セレビシエ
(サッカロミセス・セレビシエともいう)
Saccharomyces cerevisiae
いわゆる多くのパン屋さんが使っているのは
科学的に純粋培養されたサッカロマイセス・セレビシエです。
生イースト、ドライイースト、インスタントドライイーストですね。
サッカロマイセス・セレビシエ一種類のみ!
精鋭エリート部隊!
私がパンを焼くときに使っている酵母は
育てている環境に住んでいる菌も一緒に共存している
サッカロマイセス・セレビシエと仲間たちです。
雑菌の集合体ともいいます(笑)
こちらは、多種多様な連合軍!
連合軍だからこそ、発酵している間に様々な風味が生まれ
美味しい酵母パンになるんですね。
もちろん、私が経験したように
酵母がケンカしまくってダメになるケースもあります。
生き物ですから。
だから難しいともいわれるし
そんな生き物らしいところが、とても魅力的でもあります。
たま~に、酵母パンは素晴らしい!
イーストのパンは体に悪い!という声を聴くことがあります。
イースト=酵母なので
イーストのパン=悪ではないんですよね~
↓ こういう本もあるので
イースト=悪というイメージを持つ方がいらっしゃいます。
逆に、こういう本があるので
酵母=健康!体にいい!というイメージも持たれがちです。
酵母で健康になる 生きた酵母で腸から元気
腸科学 健康・長生き・ダイエットのための食事法
発酵食品が体にいいのは間違いがないけれど
発酵食品を食べてるから病気にならない!とか
アンチエイジング!とか…
そんな都合のいい食べ物じゃぁありません。
本の題名やコピーはインパクトが強いので
すごく印象に残るんですよね。
それは仕方がないことです…
が、一歩踏み込んで考えてみると
また違った世界が見えてくる♪
イースト=悪ではありませんが
イーストフード(添加物)=出来るだけ避けたい と私は思っています。
イーストとイーストフードは別物ですからね~!!
これ、けっこう大事よ!!!
イーストフードの危険性についてはこちらのページが分かりやすかった!
本当に避けるべきものは何か?
自分が許容できる食の危険性はどんなものなのか?
言葉やブームに踊らされずに
情報を上手につかって暮らしていきたいものです。
ちょっと話がずれてしまった~
最近元気いっぱいありすぎる、我が家の酵母ちゃん
そのガッツある活発な生命活動から生まれるパンを見ていると…
ドライイーストは良いパンを焼きたい!という
純粋な気持ちからはじまっているよなぁ~
そんな気持ちになりました。
大抵のものは
始まりは、すべて純粋な気持ちから!
長い時間の中でゆがみ
利己主義の要素が多くなってしまうけれど…
昔は酵母パンしかなかったんです。
ちなみに、市販のイーストが工業製品として開発され
普及していったのは第一次世界大戦後です。
パンの歴史を振り返ると6000年のうちの100年ほど。
そう思うと、ほんまに新しい技術よなぁ。
安定しない酵母パンじゃなくて
より発酵が強く安定していて
ふんわり良いパンを焼くために
長い時間の中で試行錯誤されてきた歴史があります。
よりよいパンを
より短時間で!
常に同じコンディションで!
そう思うのは自然なことやなぁ~
ただ、元気いっぱいの今のまひろ酵母…
私にしてみると軽いんです。
酵母の織りなす個性をこよなく愛しているので
ちょっと物足りなく感じる時がありますわ…
市販のイーストのようにサラブレッド精鋭部隊よりも
個性豊かで扱いづらい多民族連合軍のほうが
私の好みにはあってるようです(笑)