菌は地球を救う♪
菌をこのなく愛するパン工房まひろの郁子です。
印鑰さんのお話会 vol.2です~~~
前回は、菌が地球に生命をもたらし
菌の多様性が生命を支えている話をまとめました。
今回は、ちょっと耳が痛くなる内容です。
化学肥料による被害
化学肥料でどんな被害が出ていることがわかっているのか?
- 土壌破壊・環境破壊
- 健康被害
その一つ一つをまとめていきます。
土壌破壊・環境破壊
vol.1で出てきた菌根菌糸
植物は根の9割をこの菌糸で形成しています。
植物にとっての命綱ともいえる菌。
そのほかにも土の中にいる菌が植物を守り育てています。
菌が生み出す栄養を植物は吸い取る。
植物は菌を育てる炭水化物を土の中に流す。
豊かな土の中の菌は悪玉菌をブロックする。
この共生関係が植物を育て繁栄させてきた。
この関係が崩れてきているのです。
その大きな原因となっているのが
化学肥料・農薬の存在です。
化学肥料は、植物を育てる栄養。
生育に必要とする栄養をピンポイントで与えてくれます。
植物が育つのに必要な栄養素の一つが窒素。
この窒素を植物は、もともと根粒菌からもらっていました。
根粒菌からの窒素は植物の根から直接吸収されます。
菌を自分と一体化させて栄養を受け取る
根のコブ状のものが根粒菌です。
しかし化学肥料により簡単に栄養を吸収することができるようになった植物は
光合成で作り出した炭水化物を土の中に流さなくてもよくなる。
土の中の菌の力を借りなくても生育できるから。
ここで、植物と菌の関係が崩れてしまいます。
土の中の炭水化物が減れば、菌も育たなくなる。
↓
菌が減ってしまった土の中では
悪玉菌(病原菌)が簡単に植物を病気にする。
↓
病気が広がるから農薬で殺菌消毒をする
↓
土の中の有益菌も死滅する
↓
土の中の菌が減れば、土は固く水はけが悪く乾いていく
(土をまとめていたのは菌根菌糸が出す成分)
↓
乾いた土は、風で飛ばされ
水で流される
↓
豊かな土壌の消失
(世界の土壌の1/3はすでに失われている!涙)
↓
土がなくなれば植物は育たない
私は農薬が先に土を汚していると思っていましたが
逆です!
化学肥料が土を弱らせてしまった。
↓
病気が出やすくなるから農薬を使う。
この流れが土を弱らせることに拍車をかけたのです。
土を弱らせるだけが化学肥料・農薬の害ではありませんでした。
私たちへの健康への影響も問題視され始めています。
健康被害
私は農薬がかかった野菜を食べることが健康被害の一つと考えていました。
農薬を落とす野菜用の洗剤があるくらいですから。
当然、体に入っていいことはありません。
それ以上に、静かに広がっていったのが
化学肥料が水に流され、地下水脈に入り込むことです。
そう、私たちの飲み水に入ってきているという事実。
窒素は、根粒菌によるものでは植物の根から直接取り入れられます。
しかし
化学肥料として土に混ぜられた窒素は全てが植物に吸収されるのではなく
土壌にも流れ出ています。
その土の中に流れ出た窒素は硝酸性窒素になります。
詳しくは↓こちらを参考にしてください。
https://ja.wikipedia.org/wiki/%E7%A1%9D%E9%85%B8%E6%85%8B%E7%AA%92%E7%B4%A0
自然界の中でも、有機物が菌によって分解される工程で
硝酸性窒素が生まれます。
この硝酸性窒素は植物にとっても必要な栄養素。
でも、それが植物が吸収しきれないほどの大量なものならば
土の中に存在し続け、流れて地下水脈へ…
この硝酸性窒素が人間を含む動物の体内にはいるとどうなるのか?
血液中のヘモグロビンを酸化させ酸欠症状を引き起こします。
また、同時に発がん性物質を体内で生み出すことも分かっています。
私たち動物は酸素を必要としています。
その大切な酸素を取り入れられなくなってしまったら…
体が小さい赤ちゃんなどには大きな被害として出てしまいます。
化学肥料は、植物がすぐに大きくなるので
魔法の肥料のように扱われていたのではないでしょうか。
そりゃ、簡単に短期間で大きくなるんだから
生産者さんたちは喜んで使ったと思います。
使った生産者さんたちは、知らなかったのだから
責めることはできません。
でも、化学肥料・農薬を使う害がどれだけ大きいのか
その事実を知ってしまったのなら
これからの生活を守るために
私たちが出来ることは何があるのか
より具体的に
より生活に落とし込める方法を
私たちそれぞれが一生懸命考え
小さなことからでも行動をしはじめ
地道な努力を始めることが大事ではないでしょうか?
知ってしまうと心が重くなってしまう事実が
世の中にはたくさんありますよね。
でも、知ること学ぶこと考えること
なによりも
より良くするために行動することを
止めないようにしたいなと思うのです。
次回は化学企業と農業のお話です!