酵母パンと糀の悩ましい関係

菌は地球を救う♪
菌をこのなく愛するパン工房まひろの郁子です。

梅雨明けして、暑さ本番夏本番!な季節です。
この温度がぐんぐんあがる季節は
酵母パンを作るのに色々悩ましいことがあります。

まぁ、パンを作るのに温度管理は必要なので
イーストのパンでも要注意なのは同じですけれどね~。

我が家の場合は、悩ましいのが「糀菌」の存在。

ちょうど、昨日の自宅販売でそんな話になりましたので
タイムリーやなぁとブログに書いてみます。

酵母って?糀って?

酵母も糀も私たち人間にとって、とってもありがたい菌ちゃん達です。食べ物を消化吸収しやすくしてくれたり、旨み成分を増やしてくれたり栄養素を増やしてくれたり、食べ物の保存性を高めてくれたりもします。

いわゆる、有益菌ですね。
(あくまでも私たち人間にとって)

酵母とは?

酵母=イースト(英:yeast)である。
広義には生活環の一定期間において栄養体が単細胞性を示す真菌類の総称である。
狭義には、食品などに用いられて馴染みのある出芽酵母の一種 Saccharomyces cerevisiae を指し
一般にはこちらの意味で使われ、酵母菌と俗称されている。 (wikipediaより)

詳しくはWikipediaを読んでみてくださいね→https://ja.wikipedia.org/wiki/酵母

私がパンを焼くのに働いてもらっているのは
出芽酵母のサッカロマイセス(サッカロミセスという場合もあり)の仲間たちです。

自然界のその辺に普通に存在している菌です!
花の上に、葉っぱに、土の中に、木の幹に♪

その菌を培養して、パンを膨らませて焼いているのが酵母パンです。

パンの起源は紀元前3500年ごろの古代エジプト。
それ以前から小麦栽培や小麦を食べる文化はありましたが
「発酵」という恩恵を受けたのは古代エジプトだと言われています。

古代エジプトに行けるものなら行ってみたい!!!
産声をあげた醸されたパンという食べ物がどんなふうに生活の中に入り込み
どんな麦で焼き上げられていて、どんな香りで、味だったのか!

タイムマシーーーン~~!!切に欲しい!

酵母菌に関しては、簡単にこんな感じで。

糀とは?

麹、糀(こうじ)とは、米、麦、大豆などの穀物にコウジカビなどの食品発酵に
有効なカビを中心にした微生物を繁殖させたものである。
コウジカビは、増殖するために菌糸の先端からデンプンやタンパク質などを分解する
様々な酵素を生産・放出し、培地である蒸米や蒸麦のデンプンやタンパク質を分解し
生成するグルコースやアミノ酸を栄養源として増殖する。 (wikipediaより)

詳しくはWikipediaを読んでみてくださいね→https://ja.wikipedia.org/wiki/麹

コウジに漢字が二つあります!

麹と糀

麹=穀物にコウジカビを繁殖させたもの(中国より伝来)

糀=和製漢字。日本の米糀を指す。

日本において、糀は国の菌!と認められています。
素晴らしい宝物♪
そして米の国!という思いもあるので、私は糀の漢字を使うことが多いかな。
なんといっても、お米の花という表現が素敵!

発酵をこよなく愛する方々は、様々なものを自宅で醸していると思います。
味噌、醤油、甘酒、水キムチ、キムチ、ヨーグルト、松葉サイダー
豆板醤、糠漬け…etc

そして、酵母パン!(笑)

私も、様々な発酵食品にときめいて作っていた頃があったなぁ。

特に糀は、甘酒、塩糀、しょうゆ麹、味噌など作ってました。
美味しくなるし保存性が高まるし!
糀ちゃん最高!!!

そして、完成した糀ではなくて
糀を醸したい!と思う頃、素敵な講座に参加したんです。
講座の過去記事はこちら
https://ikukoubo.shiga-saku.net/e1378562.html

塩糀やしょうゆ麹、味噌の時は感じなかったけれど
甘酒や糀そのものを醸してから…

一気に我が家の酵母の状態がおかしくなっていきました…

パンの中種にしろパン生地にしろ
発酵させていくとドロドロに溶けていくような状態。
何かがおかしい…なんやろ??と思いながら続けていくと

もうパンとして認めることが出来る状態じゃないところまで来ました。

でね、原因究明のために調べまくったんですよ。
酵母菌以外の仕業であるのは間違いない!
なんやろなぁ?
…最近糀と戯れていたことが多かった…

そして、分かったことが糀菌が出す酵素には

タンパク質分解酵素プロテアーゼがある

タンパク質分解というワードを見た瞬間目の前真っ暗ですよ!!!

パンは、グルテンというタンパク質が網目状になり
その網目の隙間に酵母菌が出すガスが抱え込まれて膨らんでいるんです。

その骨格となるグルテン・タンパク質を分解!?
そりゃドロドロに溶けるし、パンにならへん!

このプロテアーゼという酵素が活性する温度

30~50度

味噌や日本酒の寒仕込みを思えば、低い温度でも酵素は働くので
この温度は一番活性する温度やろなぁと思いました。

なんにせよ、発酵温度と酵素の活性温度はまるっとかぶっています(涙)

酵母パンを発酵させようとしたら、酵素も働く!
それじゃぁパンにならへんやん!!!

で、三か月休業して酵母をおこしなおしました。
工房を洗浄・消毒しても糀菌がゼロになることはないので
酵母が優勢になるように注意をしながら共存している現在。

この季節、温度が上がり始めると
どうしてもプロテアーゼが活性してしまします…

仕込みをする時、一次発酵させるとき、室温を20℃くらいに下げてやってます。
ドロドロに溶ける前に、逃げ切るようにパンを焼いています…
気分は襲われる被害者ですよ。

それでも影響は出るので、見極めが本当に難しくなる(汗)

この季節は、パンの膨らみが悪くて小ぶりなパンが多くなります…
糀菌の影響で味わいは濃くなります!

季節もんやなぁ~とご理解いただけたら幸いです。

酵母パン屋は、酵母パンだけしか作ったらあかん!という教訓になりました。